事例紹介
技術や知識のデジタル化で技能伝承を実現
POINT
・マニュアルにより作業が標準化されミスが減少
・動画で一連の作業を確認でき人材育成担当の負担を軽減
取組イメージ
課題内容
〇機械を円滑に動かすための部品であるベアリングの専門メーカーとして幅広い製品の開発を行っているがベテラン職人による若手への技能伝承が課題であった。
・会社として「多能工化」を進めていきたい意向はあったものの、マニュアルや教育の整備に着手できていなかった。
・各自でマニュアルを作成・管理しており、更新していない、読まれていないという状況であった。なかには手書きで作成している人もいて、紙の劣化や文字が読みづらいなどの問題を抱えていた上に、教える側は「読めばわかる」とフォローの無い状況であった。
・また、口頭で伝達しても肝心なところを省略してミスが起きたり、同じことを何度も教える必要があるなど指導方法に課題があった。
実施概要
〇作業が属人的で標準化されていない状態を解消するために、クラウド型のマニュアル作成・共有システムを導入した。
〇3か月間でマニュアルを作成し、マニュアルを教育訓練計画表と紐付け、その計画表に沿って仕事を教え、マニュアルを使って事前学習や振り返りができるようにした。また不足しているマニュアルは教育を受けた社員が作成することにした。
〇また、推進メンバーが現場を取材し、画像や動画といった素材を集め、本社・工場間の物品移動のマニュアルをわかりやすく作成した。
〇協力会社に依頼している業務のレクチャーの際もシステムを利用した。
効 果
〇マニュアルを活用することで作業手順が標準化され、誰でも同じ手順で作業できるようになりミスが減った。また、分からない部分が明確になることで、質問が会話のきっかけにもなり、従業員同士のコミュニケーションが増加した。
〇画像や動画を取り込むことでわかりやすいマニュアルになり、特に動画で一連の流れが確認できるようになったことで、人材育成担当者の負担が軽減した。
〇技術や知識の蓄積・伝承により、従業員の多能工化を実現した。
〇マニュアルを作成することで、会社が活性化し、利益への貢献、職人の技術や知識、アイデアを会社の知的財産として活かせるようになった。
苦労点
社内からIT化に対する抵抗の声も多かったが、簡単なマニュアル作成から始め、まずは作成したことを上層部が前向きに捉え受け入れることで、受動的だった従業員たちが自分の意見を言えるようになり、「まずはやってみる」という社内風土が芽生えた。
従来より、従業員の定着が少なかったが、採用方法を変更するなどし、従業員の定着率が50%から90%に向上し、平均年齢が35歳以下となった。
ITツール
使用ツール | Teachme Biz > |
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取り扱い企業 | 株式会社スタディスト > |
ツール概要 | 画像や動画を取り込んで作成したマニュアルをクラウド上で共有 |
補助金活用
課題分類
技術力の維持・強化
人手の確保・育成
DX実践の目的
バックオフィス
参照:株式会社スタディスト. “株式会社前川製作所様 – 導入事例 – マニュアル作成・共有システム 「Teachme Biz」”. https://biz.teachme.jp/casestudy/mbs/, (参照 2023-12-18)