事例紹介
農作業をデータ分析し、労働生産性の向上と新商品開発の実現
POINT
・木1本1本の作業情報をデータ管理
・データから作業効率と生産性の「見える化」し労働生産性UP(約2.4倍)
・データ分析の結果、これまでの廃棄物を商品として販売(4000万円/年)
取組イメージ
課題内容
〇100年以上の歴史を持つりんご園である。経営の引継ぎにあたって、将来の事業運営に課題があった。
・経営を引き継いだものの、園内に何本の木が植えられていて、どこに何の品種があるのか、全く記録がないため資産内容を把握できていなかった。
・将来の継続的な事業運営に不安があった。品種バランスが悪いために作業に繁閑のムラが生じ、労働生産性が低い状況になっていた。
実施概要
〇りんごの木1本1本に二次元コードを印刷したタグを付け、情報をクラウド上で管理した。
〇収穫や剪定などの情報を記録する生産工程可視化アプリを導入。作業時にスマートフォンで二次元コードをスキャンして、作業内容(木の手入れ内容・作業時間など)を記録した。
〇収集したデータを基に作業効率や生産性を分析し、品種ごとの収益性を算出した。品種による剪定や摘果などの作業量・収穫時期の違いを収益データと照合し、品種構成の見直しなど効率的な栽培を検討した。
効 果
〇資産状況・収益性の把握と作業内容の「見える化」により、収益性の低い品種に手をかける時間や、作業の繁閑のムラを削減。それにより労働生産性を(推定)1200円から2800円(約2.4倍)にまで向上できた。
〇データ分析の結果、摘果による廃棄量の多さに気づいた。有効活用の必要性を認識できたことで、シードル(りんごから作ったスパークリングワイン)の商品化という新規事業の立ち上げへとつながった。もともと廃棄していたものが年間4000万円ほどの売り上げへと変わった。
ITツール
使用ツール | Agrion果樹 > |
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取り扱い企業 | ライブリッツ株式会社 > |
ツール概要 | 果樹専用の生産工程可視化アプリ |
補助金活用
商工会議所の「ビジネスアイデアコンテスト」
課題分類
経営判断の効率化・高度化
生産プロセスの改善
DX実践の目的
サプライチェーン
参照:中小企業機構. “りんご栽培の作業を「見える化」労働生産性の高い農業を追求【もりやま園株式会社(青森県弘前市)】|中小企業とDX|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]”. https://j-net21.smrj.go.jp/special/dx/20221226.html, (参照 2023-11-1)