2024年1月22日に第3回事例研究会「田舎の鮮魚店でもできるDX−バックオフィス業務の効率化から時間を生み出す−」をしまなみ交流館（尾道市東御所町）とオンラインにて開催し、79名（現地26名、オンライン53名）の方々にご参加いただきました。

　研究会は、DX事例企業による講演、講師による事例の深掘り解説、そして今回からChatGPTを活用した現地参加者によるワークショップの流れで行いました。

　まず、講演では、魚の卸売業界特有の課題や厳しい状況を背景に、各種クラウドツールを活用したバックオフィス業務の効率化を図り、生まれた時間を活用して新規事業を展開したことが紹介されました。具体的には、「煩雑な事務作業や曖昧な勤怠管理で若い世代が働きたいと思えるような職場でないことに強い危機感を持ち、バックオフィス業務の効率化を優先課題としてDXを進めた結果、従来の卸売に加え小売やネット販売など新規事業を展開することができ、結果として売上構成の多角化や若年世代の雇用確保が実現した。」ことをお話しいただきました。
講演者は、DXを進めるには最初に目的を明確に設定し、課題を見極めて優先度の高いところからスモールスタートし、継続的に見直すことの重要性を強調されていました。
「ヒト・モノ・カネの不足しがちな中小企業・家族経営の企業こそDXによる業務効率化で時間を創出し、その時間で課題を解決していくべき」とのお話に、参加された方々の多くが共感されていました。

　続いて、講師による深掘り解説では、今回の成功ポイントを「ビジョン実現に向けた進め方」「経営層の業務効率化へのコミットメント」「経営層自ら情報収集」「外部専門人材の有効的な活用」「持続的なDXの取組」の5つにまとめてそれぞれ解説を行いました。あわせて、「企業が成長を続けていくうえでは、まずは業務効率化を行い、浮いた経営リソースをより利益率の高いところに集中すること」「業務効率化の意識を持つこと」の重要性が補足されました。
最後のワークショップでは、今回からChatGPTを活用したグループワークを行いました。ChatGPTの概要や有効利用するためのプロンプトエンジニアリングの説明ののち、ChatGPTの出力結果も活用して、講演内容の整理と自身との共通要素の考察を行っていただきました。
熱気に満ちた会場内では活発な意見交換が各所で交わされ、参加された方々は現場の率直な意見に耳を傾け臨機応変に見直しながらDXを進めた取組に共感し、自社にとっての参考としていただけたと感じました。

　なお、事例研究会は、3月まで実施します。ぜひご参加をご検討ください。詳しくは、次のリンク先をご覧ください。